“新たな時代のドレスウォッチ”!? スイス時計の注目ブランドCEOが語る「自分らしく生きるための機械式時計」とは?【Behind the Product #01】
ものづくりの裏側を取材する連載記事「Behind the Product(ビハインド・ザ・プロダクト)」。第1回目は、創業者レイモンド・ウェイル氏が1976年に興したスイスの時計ブランドの「レイモンド・ウェイル(RAYMOND WEIL)」の新モデルへのアプローチをご紹介。伝統とカジュアルを融合させたドレッシーなタイムピースで注目を集める同社の3代目となる若きCEOであるエリー・ベルンハイム氏が来日。名機誕生の経緯や、腕時計 スーパーコピー作りへの情熱について話を聞きました。
●スイス時計産業を次世代へ伝えるファミリーブランド
1976年に創業したレイモンド・ウェイル(RAYMOND WEIL)は、スイスに本拠地を置く独立系の時計ブランド。
名作「フリーランサー」をはじめ、“時計のアカデミー賞”と呼ばれる「ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ2023」で脚光を浴びた最新作「ミレジム」など、時計ファンの注目を集めるタイムピースで知られますが、このたび3代目CEOであるエリー・ベルンハイム氏が来日。
1970年代に起きたクォーツ式時計の隆盛という逆境のなか創業したレイモンド・ウェイル。窮地に陥ったスイスの機械式時計産業の技術と伝統を守り抜き、創業者一族による経営で現代へと受け継いできた注目ブランドのキーマンに話を伺いました。
●永遠のマスターピース「フリーランサー」
VAGUE:レイモンド・ウェイルというブランドの成り立ちについて教えて下さい。
エリー・ベルンハイムCEO:私の祖父であるレイモンド・ウェイルが1976年に興したブランドです。20周年の1996年に父のオリビエが引き継ぎ、創業者の孫にあたる私が2014年にCEOに就任しました。
VAGUE:“ラグスポ”などスポーティな機械式時計がトレンドのなか、知的な印象の「フリーランサー」は早くも、クラシカルなタイムピースの定番として支持されているようです。
ベルンハイムCEO:「フリーランサー」は私がCEOに就任してから初めて関わったプロジェクトでした。現代性とモダンさを軸に、クラシカルな雰囲気をたたえたコレクションです。
VAGUE:“自分の運命をコントロールしたい”と願う自由奔放な男性に敬意を表してデザインされたタイムピースだと伺っています。
ベルンハイムCEO:「インディペンデンスであれ」という思いを込めています。自分がやりたいと思った通りに行動し、好きなものは好きと言う。自分らしさを貫こうという意思を背景に持っているモデルです。
1970年代、クオーツ時計が急速に普及した時代に時計ブランドを立ち上げることは祖父にとって大きなチャレンジだったはず。その火を絶やすことなく育てた父も同じでしょう。
大切なのは強い意志を持つことで、その思いをブレることなく引き継ぐことに成功した「フリーランサー」は、レイモンド・ウェイルを代表するコレクションに成長しました。